【完全保存版】コーヒーの淹れ方|温度・時間・ブリュー率で味を設計

現役バリスタが解説。温度・時間・ブリュー率の3要素を理解すれば、初心者でも自分好みのコーヒーレシピが作れるようになります。基礎レシピ付き。

バリスタによるハンドドリップのデモンストレーション

現役バリスタが解説|初心者でもレシピが作れるようになる知識

コーヒーの淹れ方については、ケータリングの現場でも頻繁に聞かれる内容です。お店のレシピやコーヒー豆を購入した際に付いてくるレシピ、ネットで調べるレシピはさまざまだと思います。同じ店舗にいてもバリスタによってレシピが違うこともあります。

コーヒーは好みがあったり、豆の種類によってもレシピを変えたりするので、「これが正解」と言うものはありません。正解がないから難しいし、正解がないから面白いものだと思います。

今回は、これを知れば、自分でも好みのレシピ作りができるようになるという内容で書いていきたいと思います。

前提として、コーヒー豆の産地に関係なく、焙煎の段階であまり火を入れていない浅煎りはフルーティな酸味が出やすく、火を多めに入れている深煎りは苦味が強く出やすいので、まずは豆選びに注意してください。抽出で味は変えられますが、浅煎りを苦くしようとするなど、極端な味の変化は味のバランスを崩します。

焙煎度合いと味の関係

キーワードは「温度」「時間」「ブリュー率」

コーヒーの味を変える要素は細かく出していけばたくさんありますが、**「温度」「時間」「ブリュー率」**という要素がわかればどなたでも美味しくコーヒーを入れられるかと思います。

この3つについて順番に説明していくのですが、こちらの内容を知っておくとよりわかりやすくなるかと思うので、以下の画像を見ながら読んでみてください。画像の内容はコーヒー豆から出る味の順番です。

どの抽出方法でも同じで、はじめに酸味、次に甘み、最後に苦味や雑味がお湯に溶けていきます。

コーヒー豆から成分が出る順番

「温度」について

ここでの温度というのは「お湯の温度(湯温)」のことです。おそらく、ほとんどの方が沸騰したお湯を使って抽出しているのではないかと思いますが、お湯の温度が高すぎる場合、成分が出過ぎて尖った苦味や雑味が出てしまうことがあります。

フレンチプレスなど、お湯に浸しておくだけの抽出方法であれば熱湯でも良いですが、お湯によって豆を撹拌するハンドドリップでは、90°前後に設定することをオススメします。室温にもよりますが、温度が測れるケトルがない場合は、蓋を開けて1〜2分で90°前後になります。

  • 温度が上がるほど「成分が出やすく」「味は強く尖る」
  • 温度が下がるほど「成分が出にくく」「味は弱くぼやける」

ちなみに、苦味成分は温度が高いとお湯に溶けやすいですが、上げすぎると雑味も出るので注意してください。温度が低いと甘さや優しい酸味が出やすいですが、全体的にぼやけた味になりやすいのでこちらも注意が必要です。

細かく温度を測れる方は、以下の図を参考にしてみてください。また、ここからの話は全てコーヒー豆の挽き目は**標準(グラニュー糖大程度)**とします。

お湯の温度によるコーヒーの印象

「時間」について

ここでの時間とは、「抽出時間」と「蒸らし」の時間です。

抽出時間というのは、お湯を注ぎ始めてから、最後に注いだお湯が落ち切るまでの時間のことで、蒸らしの時間も含みます。蒸らしは、始めに少しお湯注いで待つのですが、これは「焙煎時にコーヒー豆に含まれるガス(二酸化炭素)を抜くため」と、「お湯を馴染ませ成分を出やすくする準備」だと考えてください。蒸らしをしないと味が薄くなります。

難しく考える方も多いですが、**蒸らし=「使用する豆量の2倍のお湯を30秒」**こちらを固定で考えて大丈夫です。

ガスは抽出の邪魔をして本来の味が出にくくなることや質感に影響するのではじめに抜いておく必要があります。焙煎したての豆を使用する際は40〜60秒蒸らす場合もありますが、30秒の固定でも問題ありません(焼きたての豆は5日ほど置いてから飲むことをオススメします)。

蒸らしのポイントとしては、「豆全体にしっかりとお湯をかける」ということです。

次に抽出時間ですが、先ほどの成分が出る順番がそのまま反映されると考えて良いかと思います。抽出が早いと酸味が目立ち、抽出が遅いと苦味が強くなってきます。

お湯の温度によっても抽出時間による味の出かたは変わりますが、まずは以下の図にある標準の2:30〜2:40を狙って時間は固定するのがわかりやすいかと思います。

抽出時間による味の変化

レシピの考え方まとめ

レシピの作り方としては、

  1. 「時間」で目指す味を決める
  2. 「温度」で味の強さを決める

のが大きく失敗しない考え方だと思います。

ここからは少しレベルが上がりますが、細かく調整する場合、「温度」が変わると成分の出やすさが変わるということも考えなければいけません。わかりやすく例えると、塩や砂糖やお風呂に入れる入浴剤など、温度が高いと早く溶けますが、温度が低いとゆっくりとけます。コーヒーの成分も同じで、温度が高いと早い時間で成分が溶けます。

オススメは、1つずつ条件を変えて、理想に近づけていく方法です。

レシピの調整の例

「ブリュー率」について

最後に、**ブリュー率(レシオ)**についてです。あまり聞きなれない言葉だと思いますが、コーヒー豆とお湯の比率です。何gのコーヒー豆を使って、何mlのお湯を使うかということです。

これによる変化は「濃度」です。単純に豆を多く使うと濃くなり、豆を減らすと薄くなります。これに関しては特に好みが分かれるところなので、以下の図から好みに合いそうな比率を見つけてみてください。

ブリュー率によるコーヒーの印象

焙煎度合いが軽いものは軽めに淹れてあげたほうが、酸味が尖りすぎず、フレーバー(個性)もわかりやすく出るのでオススメです。しっかりと焙煎されている豆に関しては、豆量を増やして、コクや甘さ、全体的なボリュームを出してあげた方が好みに合う方は多いのではないかと思います。

計算方法:例えば1:16で試したい場合、15gの豆を使ったとしたら、15g × 16倍 = 240mlのお湯を使います。逆に、240mlで抽出したい場合は、240ml ÷ 16倍 = 15gの豆を使います。

基礎レシピとまとめ

ここまで、温度・時間・ブリュー率にフォーカスして、味に与える影響、何がどう変わればどうなるのかを書いてきましたが、基本的には標準のレシピで淹れれば間違いないかと思います。

これでも美味しくならない場合は以下のことが考えられます。

  • 挽いた豆の粒度にばらつきがある
  • 豆の鮮度が落ちている
  • 焙煎の失敗
  • 豆全体にお湯がかかっていない抽出
  • 注ぐお湯の勢いが強すぎる

挽いた豆の粒度が揃っていることはとても大切なので、ミルやグラインダーは安すぎるものは避けたほうが良いです。

最後に、私がベースとして使っているレシピを載せておきますので、参考にしていただければと思います。もちろん、豆によってレシピを変えたり、焙煎から何日経ったかでレシピを変えたほうが、その豆のポテンシャルをより引き出せたり、より好みの味に近づけたりするので、これまでのことを参考に色々と試してみてください。

基礎レシピ


他の内容も今後noteにまとめていきますので、そちらも楽しみにしていただけたらと思います。ケータリングを専門にバリスタの活動をしているので、詳しく知りたい方は現場で直接お伝えすることもできます。気になった方はぜひお気軽にご連絡ください。